ロッテ伊東勤新監督(50)が就任1年目からの日本一へ、ポスト里崎の育成を最優先課題に掲げた。18日に千葉市内のホテルで入団会見を行った。2年連続Bクラスに終わったチームの現状分析を、名捕手だった伊東監督が鋭く指摘した。「捕手はこのチームの弱点だと思う。控えの選手と、かなり差がある。里崎がコンディションや調子を落とした時に、次にどの選手を使えるようにするかが我々の仕事の1番になる」と捕手強化を誓った。

 今年は里崎が先発マスクを担った116試合で勝率5割以上を維持したが、田中、金沢が先発した28試合で負け越した。里崎は故障が多く、休養を挟みながらの起用となる。第2捕手の成長は、ここ数年にわたるチームの課題でもあり、浮沈のカギを握る。

 伊東監督は04年に西武監督に就任し、1年目で日本一に輝いた時も、まだ一本立ちしていなかった細川(現ソフトバンク)を正捕手に据え、リーグを代表する捕手に育て上げた。「自分の我を出さず、投手、相手打者のことを優先して考えるのが捕手。里崎を脅かすような捕手を育てたい」と理想の捕手像がある。

 球団は詳細な契約条件を明かさなかったが、2年契約の年俸8000万円(推定)で合意に達した模様。だが伊東監督は就任1年目から結果を残す決意を示した。「勝負の世界だから1年目から結果を出さないと。複数年契約に甘えることはない」。選手、監督として8度の日本一の味を知る指揮官だからこそ、結果にこだわる。「必ず日本一を勝ち取れるチームをつくりたい」。伊東ロッテが勝てるチームに生まれ変わる。【広重竜太郎】

 ◆伊東勤(いとう・つとむ)1962年(昭37)8月29日、熊本県生まれ。熊本工で甲子園出場。所沢高に転校して西武練習生になり、81年ドラフト1位で西武入団。03年まで22年現役を務め、リーグ優勝14度(日本シリーズ出場13度で日本一7度)。通算2379試合で打率2割4分7厘、156本塁打、811打点。ベストナイン10回、ゴールデングラブ賞11回。西武監督に就任した04年、日本シリーズで中日を下して日本一になり、07年に退任。今季は韓国・斗山のヘッドコーチを務めた。181センチ、83キロ、右投げ右打ち。