ソフトバンクが、元台湾代表監督の郭泰源氏(50)に1軍投手コーチとして入閣要請することが19日、分かった。現役時代に「オリエント・エクスプレス」の異名を取り、秋山監督とともに西武黄金時代を構築。引退後は、同国代表チームなどで監督、コーチを歴任。投手王国復活をかける人物として白羽の矢が立った。

 昨オフに杉内とホールトンが巨人へ移籍し、和田が海を渡った。先発ローテーションから3投手が抜けてV逸。球団幹部は「そこの補強には今年も全力で注ぐ」と話すが、同時に現有戦力の底上げも必要と判断。かつて常勝西武でローテの軸として117勝を挙げた郭泰源氏は、台湾球界で指導者としても力を発揮。経験に裏打ちされたコーチングに球団は注目していた。

 郭泰源氏は台湾連盟の顧問も務め、西武渡辺監督を選手兼任コーチとして同国のプロ球団に招き、若手の日本挑戦を後押しするなど、日本の情報にも明るい。秋山監督とは親交も深く、昨年台湾で開催されたアジアシリーズで再会した際も旧交を温めた。

 球団はほかに阪神を退団した田村藤夫バッテリーコーチ(52)やオリックスを退団した安田昌玄2軍トレーニング兼コンディショニングコーチ(50)らの招聘(しょうへい)にも動く。1、2軍コーチの入れ替えも行われる模様だ。

 ◆郭泰源(かく・たいげん)1962年3月20日、台湾・台南市生まれ。台南市長栄高-合作金庫と進み、84年のロス五輪に台湾のエースとして出場。85年に西武入団。91年は15勝6敗、防御率2・59でMVPを獲得。日本通算13年間で117勝68敗18セーブ、防御率3・16。