<アジアシリーズ:巨人5-0ロッテ(韓国)>◇10日◇予選リーグ◇韓国・釜山

 日本代表入りした巨人の沢村拓一投手(24)が、チームを決勝進出へと導いた。ロッテ(韓国)戦に先発し、7回を4安打無失点に封じた。

 舞台がアジアに移っても「力」で挑んだ。2回2死二、三塁。1番田峻■に対し、2球目から3球連続で152キロを投じた。勝負球に選んだのも、もちろんストレート。高め153キロで空振り三振に仕留めた。最大のヤマ場を力勝負で乗り越え、「真っすぐは全体的に良かった」と納得の表情だ。

 ここぞの舞台で自分を信じ、結果を残せる強さがある。CSでは3連敗で王手をかけられた4戦目で快投。日本シリーズも第6戦で6回3失点でまとめて日本一につなげた。この試合も敗戦即今季終了だったが、重圧そっちのけで淡々と腕を振り続けた。内容的に球数が127、6四球には満足していない。それでも「勝たねば決勝がないという大事な試合を任せてもらったので、何とかその期待に応えられるよう投げた」と責任を受け止めたうえで、チームに勝利を手繰り寄せた。

 中5日で、また大勝負が待っている。スタンドには、WBC日本代表の与田投手コーチが視察に訪れていた。国際試合での適応力には「問題なかったと思いますね」と及第点をつけた。沢村は16日のキューバ戦での先発が濃厚。与田コーチは「あまりWBCへのアピールという力みを持ってもらいたくない」と話しつつ「球が高めに浮いて四球になってしまう傾向があった。どういう形で修正できるか」と期待した。

 かつて、沢村はWBCについて「テレビで応援していました」と目を輝かせた。ボール、球場、雰囲気などが異なる地でも通用した「パワー」と「勝負強さ」で、来春の夢舞台をつかみ取る。【金子航、浜本卓也】※■は王ヘンに于