阪神残留かメジャー挑戦かで揺れていた鳥谷敬内野手(31)が12日、海外FA権を行使せず残留することを球団に伝えた。朗報を受けた和田豊監督(50)は、早くも野手キャプテン&3番打者に指名。巻き返しを期す和田阪神の打順決定第1号となった。

 澄み切った安芸の青空。指揮官の心境を映し出したかのように晴れ渡っていた。午前中、生え抜きスターの鳥谷から球団に連絡が入った。海外FA権を行使せずの残留を正式表明。虎将は思わずホオを緩ませ、喜びを表現した。

 和田監督

 これは朗報です。この選手がいると、いないとでは全然違ってくる。これから、いろいろなことが進んでいくと思う。

 残留かメジャー挑戦か。鳥谷が熟考した1カ月間、祈るような思いで見守ってきた。「チームの中心。残ってくれると信じている」。燃えたぎる情熱が実り、13年虎の骨格が固まった1日。指揮官の脳裏には、誰よりも真っ先に鳥谷の居場所が描かれていた。「3番遊撃」だ。

 和田監督

 いずれにしても中心、クリーンアップ。足を重視した戦いの時に1番で起用したこともあるけど、我慢して塁に出るという、他の選手にはできない打撃をしてくれた。あとはトリの後ろが機能してくると出塁率がプラスになって、クローズアップされる。

 チームは西岡(ツインズFA)の獲得が決定的となっている。鳥谷、西岡は共に1番&3番を任せられる好打者。あらゆる組み合わせを想定し、指揮官は3番鳥谷をベストチョイスと見ているようだ。二遊間を本職とする西岡が入団しても、定位置はもちろんショート。早くも2年連続で野手キャプテンを任せる考えまで明かした。

 和田監督

 私個人の気持ちでは、もう1回、やってもらおうという気持ち。トリもそういうつもりでいるでしょう。キャプテンマークのあるなしで行動を変える選手じゃない。年数、生え抜きということからもチームを引っ張る自覚を持っている選手。より一層というところでのキャプテンマークなんで。今のままで引っ張ってくれればいい。

 メジャー挑戦を表明した投手キャプテン藤川の後釜は未定。そんな中での主将任命は、鳥谷中心のチームを作るという証しだ。8年ぶりV奪回へ、キーマンになれ!

 熱い期待が背番号1を揺さぶる。

 鳥谷

 いろいろと悩みましたが、FA権を行使せずに残留させていただくことを決断しました。決断したからには来季へ向けて、チームに貢献できるように頑張りたいと思います。

 夕暮れ時、球団を通じて決意表明した。金本に城島、藤川…。中心選手が相次いで去る虎を引っ張れるのは、この男しかいない。安芸の星空に、指揮官、そして鳥谷の覚悟が刻まれた。【佐井陽介】