高卒3年目の来季、勝負をかける阪神中谷将大(19)の“三塁挑戦”を見た。残り半分を切った安芸キャンプ。今月3日に広岡達朗氏(巨人OB=80)から捕球、送球動作の指導を受けたことをキッカケに内野の練習もしている中谷が12日、ケース打撃で三塁守備についた。

 バントの際のダッシュなど実戦に即した動きを繰り返した。さらに近距離からの激しいノックも受け、フラフラになった。

 「ああいう感じの動きをするのは初めて。正直、動きは全然、分からなかったです。難しいですよ。とにかく中途半端にならないようにしないとダメですね」

 昨秋のキャンプでも少しだけ内野守備の練習をしており、グラブはそのときに用意している。捕手として入団したものの、わずか1年で外野手に転向。さらに今回の内野挑戦と、息つく暇もない。

 守れる範囲を増やすのは出場機会を増やすためにいいことは言うまでもない。かつてホークス・ファンだっただけに「三塁の守備で思い出すのは小久保さんですね」と話す。今季限りで引退した名選手に中谷が少しだけ近づけば、阪神の未来に日が差すはずだ。