リストの効いたスイングだ。1ボールからの2球目、真ん中の直球を完璧に捉えると、軽々と右翼フェンスを越えた。阪神伊藤隼太外野手(23)が14日、午後に行われたシート打撃で自身安芸キャンプ1号本塁打をぶち込んだ。視察に訪れた坂井オーナーに見せつける御前弾だ。
納得の1発だ。伊藤隼は「今取り組んでいることができた」と確かな手応え。本人以上に喜んだのが、この日から視察に訪れたオーナーだ。背番号51に誰よりも熱い視線を注ぎ「期待通り。本当に期待しているので。はつらつと練習している姿が印象的でした。大いに期待がふくらんでいるところです」と、何度も期待という言葉を重ねた。
伏線は張られていた。午前の練習で視察している巨人OB広岡達朗氏(80)から13日に続きスナップを効かせたスローイングを伝授された。打撃にもつながると話した広岡氏の指導を形にして見せた。「すべての動きが(打撃に)つながっているので日々吸収、吸収でやっていきたい」。広岡氏も来季のレギュラーについて「あのバッティングなら取れますよ」と太鼓判を押した。
伊藤隼の真価が発揮されたのは2打席目だ。内角にボール球を見せられ、身体をのけぞらせた後の外角の直球。身体が開くことなく中前にはじき返した。和田監督も「ヘッドが立って、バットが出てくるようになると率も上がってくる」と価値ある一打を評価した。周囲の期待を背負い伊藤隼は成長を続ける。【池本泰尚】



