特別扱いはいらん-。阪神坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)がドラフト1位で指名した大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(18)に対し、球界を背負うスターに成長することを期待した。大物新人の育成法について首脳陣は「藤浪会議」を重ねているが、同オーナーは特別扱いせず、競争させるべきだと強調。きょう15日には仮契約が行われ「阪神・藤浪」が誕生する。
坂井オーナーの期待は膨らんでいた。いよいよ、きょう「阪神藤浪」が誕生する。4球団競合の末に引き当てた超大物新人について、グループ総帥として最大限の評価をしていた。
「期待できる逸材ということは間違いない。阪神のエースはもちろん、球界を代表するような投手になると期待しています」
秋季安芸キャンプを視察した後、こう語った。甲子園での春夏連覇を目の当たりにした。実力、そしてハートの強さ、すべてを評価してドラフト1位指名を決めた。自軍のエースに成長することはもちろん、球界を代表するスーパースターになることに確信を持っているようだった。
球団史上最大と言ってもいいほどの大物新人獲得にあたり、南球団社長、中村GM、和田監督ら球団、現場の首脳陣は育成会議を開いて慎重に議論を重ねている。「金の卵」をつぶすことなく、いかにして“ふ化”させるか。坂井オーナーは「任せているので」と首脳陣に信頼を示しながらも持論を披露した。
「特別扱いするのはあれなんで。実力の世界ですから、みんなと競争してやってもらうことに変わりはない。本人もそれを望んでいるんじゃないかな」
グループ総帥が出した答えは「特別扱い不要」という結論だった。厳しいプロの世界、過保護が招く結果は見えている。藤浪自身、名門・大阪桐蔭でエースの座を勝ち取り、ライバルたちとの激しい戦いを制して、甲子園を制した。自然な競争の中で磨けば、必ずやスターに成長してくる。そんな確信を持っているかのようだった。
激しい競争の中で、たくましく育ってこそ、本物のエース。それでこそスーパースターと言える。藤浪もドラフト会議前日には「自分の実力でしっかりやる」と話し、覚悟を決めてプロに飛び込む。競争原理が藤浪の力になる。【鈴木忠平】



