中日高木守道監督(71)が24日、「ファン感謝デー」のあいさつで、まさかの嘆き節だ。「楽しんでいただけましたでしょうか?」。自ら3万1000人に呼びかけると大きな拍手。ところが、ここからが守道節。「私はそんなふうに思いませんでした。あれを見てると、来年も思いやられるなと監督として思いました」。イベントの結果が散々だった選手に公開ダメ出し。客席がドッと沸いた。

 平田、堂上剛、柳田、清水とパワー自慢の4人衆が出た本塁打競争は、計20スイングで0発。全員金属バットながらフェンス直撃すらなかった。北谷キャンプ中から「成果が見せられる」と楽しみにしていたが、赤っ恥に近い企画倒れだ。さらにストラックアウトでは投手の大野が制球を乱して5球中2枚しか破れず、野手の大島が勝利。惨劇の連続をファンは笑えても、監督は笑えなかった?

 この日も主役は監督だ。内野ノックで宇野コーチがトンネルするとマイクを持ち「(現役時代)オデコで受けるぐらいですから」と有名な“ヘディング事件”を持ち出してニヤリ。その流れで「来年の試合前ノックはこれぞプロをお見せします。ポロポロ、タラタラやっとる選手はスタメンに使いません」とまで宣言。さらに紅白戦の始球式でドアラと対戦。セーフティーバントを一塁方向に転がされたが、71歳は猛ダッシュでマウンドを降り、伝説のバックトスで間一髪アウトにしかけて度肝を抜いた。

 嘆いて、叫んで、体を張った360分。最後に一言「疲れた…」。守道劇場INナゴヤドームは大盛況。劇場の舞台は今日、OB会総会に移る。【松井清員】