侍ジャパンに“二刀流”侍が参上する。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の巨人村田修一内野手(31)が11日、「いろんな貢献の仕方がある。チームの手助けができれば」とWBCでの打撃投手を買って出た。前回大会はけがで途中離脱。「最後までできなかった。チームに迷惑をかけた」と自責の念は消えない。

 だからこその“二刀流”プランだ。「前回は本大会でスタッフの人も選手も投げていた」と、打撃投手の重要性は承知済み。今季は早出特打で調子を取り戻すなど、打者としても試合前に打ち込むことの重要性は痛感している。東福岡高時代は投手として甲子園も経験しており「コントロールはいい方なので」とにやり。「肩を作るのにもいいと思う」と一石二鳥だ。

 本業の打撃でも、チームを支える。移籍1年目の今季は144試合に出場して5冠に貢献したが、本塁打は自己ワーストの12本。「もうちょっと打たないことには巨人のサードと胸は張れない」と自己評価は厳しい。1月の自主トレ先を「屋外で多く打ち込みたい」と、鹿児島・奄美大島から沖縄・嘉手納に変更。プロ入り後初めて、左右の打撃投手を2人呼ぶことを決めた。「いつもより多く打てる。早めに仕上げたい」と、2月の日本代表合宿には万全の状態で臨む考えだ。

 この日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨んだ。2年契約2年目だけに、現状維持の年俸2億2000万円(金額は推定)でサイン。巨人の2連覇を誓いつつ、WBCについては正三塁手の座をつかみにいくのは大前提とし「今回は最後まで戦い抜きたい」と力を込めた。来季37本塁打で通算300号を目指す主砲として、甲子園経験の制球力を持つ打撃投手として、WBC3連覇に向けて獅子奮迅といく。【浜本卓也】

 ◆村田の投手成績

 東福岡時代には、投手で3年春夏と2度甲子園に出場。春は2回戦の出雲北陵戦で6安打、8奪三振の完封勝ち。続く3回戦では横浜の松坂と投げ合い、9三振を奪うも9安打、3失点で敗戦投手となる。夏は1回戦の豊田大谷戦で元オリックスの古木に先制打を浴び、8回を投げ11安打、6失点で初戦敗退した。

 ◆WBCの三塁手争い

 4日に発表された日本代表候補34選手のうち、内野手は8選手。三塁手はソフトバンク松田、巨人村田、阪神鳥谷の3人が候補になりそうだ。