自己最多12勝を挙げたソフトバンク大隣憲司投手(28)が来季の「一本立ち」を誓った。13日、福岡ヤフードーム内の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、前回提示より300万円増の年俸6300万円(推定)でサイン。「金額どうこうより、僕の中で誠意を感じた。1回目より、しっかりとした話し合いができた」。今季中5日でチーム最多7度登板したことも訴え、上積みに成功。納得したことで、気持ちを前に向けた。

 来季の意気込みを語る中で、ともに先発ローテを担った摂津にライバル宣言した。「僕は本当についていくという考えだった。来年はそうじゃなく、いい争いと思ってやりたい。来季もこういう結果を出さないと意味がない。チームの柱になるには何年も活躍しないと」。沢村賞右腕に追いつき、追い越せの精神でレベルアップを図る。

 一皮むけてWBC日本代表候補に選ばれた左腕に対し、球団側も“ごほうび”を検討中だ。オリジナル弁当の新開発プランが進行。関係者は「メニューは栄養学の勉強をされている奥さんにアドバイスしてもらうことも考えている。愛妻弁当ですね」と明かした。球場内で販売される弁当のラインアップは主力のみ。大隣も認められた証しだ。

 「今年は1週間の調整法とか、今まで以上に考えるようになった。和田さん、杉内さん、ホールトンが抜けてからしか自覚を感じなかった自分は甘かった。来季もしっかりローテを守りたい」。寺原、東浜の加入で先発枠の争いは激化するが、真の柱へと成長してみせる。【大池和幸】

 ◆ソフトバンクの球場弁当

 選手弁当は、出身地にちなんだ具材が多く使用されている。「摂津弁当」は出身地の秋田名物ハタハタや比内鶏を使ったライスコロッケ。「内川弁当」のご飯が吉野鶏めし。「本多弁当」には愛称の「ポン」にちなみポン菓子が付いている。他にも「松田弁当」「松中弁当」などがある。選手以外の弁当も多数。大隣は京都出身だけに、京料理がイメージされるかも。