ガッチリグラブでガッチリ正二塁手を奪う。ソフトバンク本多雄一内野手(28)が14日、福岡市内でCM撮影を行い、WBC本戦メンバー入りへ、グラブを工夫することを明かした。

 WBCの大会公式球が滑りやすいのは、投手だけの悩みではない。野手も捕球する際、グラブの中で滑るという。そこで本多は「グラブにオイルを塗りたくっていこうかな」と対策を考えている。ポケット部分に保革油をしっかり塗ることで、グリップ感を増し、確実に捕球するつもりだ。

 オイルを塗りすぎるとグラブが重くなる危険性もある。プロで7年間愛用しているスラッガー社の担当者は「本人と話してからですが、固形や液体などオイルの種類もありますし、オイルのロウを多めにするかもしれません。WBCで使用するグラブの革質を公式球に合うように変える場合もあります」。グラブそのものの改造も視野に入れ、全面バックアップをする。

 候補34人から本戦メンバーへの生き残りだけではなく、侍ジャパンの二塁レギュラーにこだわる。「二塁スタメンで出ないと。試合に出ないと意味がない」。内野候補者は8人。井端、松井、鳥谷とライバルは多い。だが、二塁でゴールデングラブを獲得したのは、今季2年連続で獲得した本多だけだ。今後は公式球が手に入り次第、練習で使用し、感覚をつかむつもり。侍候補でただ1人の「本職二塁手」が、簡単にポジションを譲るわけにはいかない。【石橋隆雄】