「チリガミ王子」が「貼り紙王子」になる。ヤクルト七條祐樹投手(28)が17日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行い100万円ダウンの1500万円でサイン。昨年は10戦負けなしの不敗神話を築いたが、今季は2軍暮らしが長く、わずか2勝に終わった。

 復活への秘策は貼り紙だった。「自分に期待しろ」「同じ立場だから勝負しよう」。自宅のトイレやソファの近くに闘争心を燃やす言葉を貼った。夫人に頼み、A4判ほどの大きさでデカデカと。名前負けすることもあったというが「年俸に関係なく勝負しようと、開き直る気持ちで投げられるようになった」と話す。26歳でプロ入りした苦労人は「1試合でも多く登板して勝ちを自分につける」と来季へ自信を見せる。詩人相田みつをは“にんげんだもの”と詠んだが、マウンドで“プロだもの”と思い出し、勝ち星を量産する。【島根純】