右肩手術からの復活を目指すソフトバンク馬原孝浩投手(31)が来年1月14日にも、昨年の日本シリーズ以来、1年2カ月ぶりとなる本格的なブルペン投球を再開する。25日、福岡市東区の西戸崎合宿所で決意を明かした。1月6日から佐賀・唐津市で自主トレをスタートさせ、捕手高谷の合流を待って調整ペースを上げる。

 馬原のクローザー復帰への道がはっきりと見えてきた。年明けに摂津、寺原らと自主トレを行うが、1月14日に捕手の高谷が合流する。これが、ブルペン投球再開のXデーとなりそうだ。「走り込み中心ですが、そのころから、打撃投手や(高谷に)受けてもらおうと思います。順調にいけばブルペンでやれると思います」。慎重ながら、口調は力強かった。

 2月28日に右肩腱板(けんばん)及び関節唇のクリーニング手術を受けた。全治6カ月の診断だったが、思うように回復せず、今季中の復帰はならなかった。11月に、ようやくブルペンで立ち投げを再開していた。

 捕手を座らせての投球となれば昨年11月19日に中日との日本シリーズ第6戦に登板して以来となる。第1、第2戦と続けて敗戦投手になり、胴上げ投手になれなかった悔しさのまま、表舞台から遠ざかっている。「簡単に当てられていた自分が許せなかった。パフォーマンスがあのときより上がるから手術を受けた」と、前を向いてきた。

 夏以降は投球動作を行える状態に回復していた。それでも、焦らずに「戦力」になるため我慢を続けた。西戸崎合宿所の室内で単調なメニューをこなす姿に、同じリハビリ組の福田は「黙々とやっていて話しかけられないくらい」と、静かな決意を感じたという。

 この日は、西戸崎合宿所で体幹や肩周りの筋肉などを鍛えた。「(今年は)今日で終わりです。今月は(肩の)調子の波もなかった」。手応えをつかみ、毎日通った西戸崎に笑顔で別れを告げた。【石橋隆雄】

 ◆馬原の復活ロード

 2月28日に横浜市内で右肩腱板(けんばん)及び関節唇のクリーニング手術を受けた。3月9日に西戸崎合宿所でリハビリ開始。6勤1休のペースで調整を続け、トレーナーと相談しながら慎重に復帰時期を検討。11月に捕手を立たせたブルペン投球を数回行った。12月は寒さを考慮して投球練習を控え、キャッチボールや筋肉トレーニングを重点的に行った。