日本に元気を!!

 88年度生まれのプロ野球選手でつくる「88年会」が5日、社会貢献活動を本格的にスタートさせた。発起人の楽天田中将大投手(24)巨人坂本勇人内野手(24)広島前田健太投手(24)ら19人が仙台市内の運動施設に集結。宮城、岩手、福島の被災3県を中心に集まった小学生約360人と触れ合った。小学校時代のチームメート田中と坂本は、ともにWBCで活躍し日本を盛り上げることを誓った。

 マー君。ハヤト。マエケン。沢村に佑ちゃんもいる。増渕も来た。野球少年にとって、いつもはテレビで見るしかないヒーローが勢ぞろい。1人1人、グラウンドに登場するたび、大歓声が起きる。代表して、田中があいさつに立った。「東北で震災がありましたが、何か自分たちの力になれることはないかと考えました。日本を元気にしていこう、という趣旨でやらせていただきます」。玉入れに、キャッチボール、ノック。最後は記念撮影で計3時間半。楽しい時間は、あっという間だった。

 発起人3人に、沢村を加えた4人はWBC代表候補だ。日本を元気に、と始めた88年会。WBCが、その手始めとなるのは間違いない。中でも、田中と坂本は兵庫・伊丹での少年時代、バッテリーを組んだ仲だ。交流を終えた2人は、そろって熱い言葉を口にした。

 田中

 日本の野球がすごいんだと、世界に見せたい。第1回の時、僕は高校生だったけど、優勝した時は盛り上がった。今日の子どもたちがそうなるように。僕らが結果を出さないと。

 坂本

 良いコンディションで臨めるようにしたい。もっともっと、応援してもらえるような選手に、みなさんに喜んでもらえる選手になりたいと、常々思っています。

 野球で、自身のプレーで、日本を盛り上げていく。思いは一緒だった。今日6日、田中は静岡に、坂本はグアムに、それぞれ出発。シーズン、そして3月のWBCにも向けた自主トレを開始する。

 子どもたちからは、WBC優勝を願うエールも飛んだ。「東北だけじゃなく」と田中。今後は88年会の活動を全国に広めるつもりだ。坂本も「継続することに意味がある。もっと同学年が集まって続けていけたら」と意気込んだ。若い力が集った、この日。明るい未来を目指す1歩がしるされた。【古川真弥】

 ◆88年会

 88年度生まれのプロ野球選手でつくる同期会で、現在はセ、パ両リーグ合わせ50人いる。発起人は楽天田中、巨人坂本、広島前田健。昨年12月、田中と広島中村恭が福島の除染現場や小学校を訪れ、活動を開始した。今後は未定だが「元気!

 ∞!

 プロジェクト」として、継続的な社会貢献活動を目指す。