巨人の投打の軸が対極的な意気込みで本格始動する。5日、主将の阿部慎之助捕手(33)は長野久義外野手(28)ら野手組を、エース内海哲也投手(30)は山口鉄也(29)ら投手組を引き連れて自主トレ地のグアムに到着。チームの2年連続日本一、そしてともに日本代表としてWBC3連覇という大目標は同じだが、始動のスタンスは対照的だった。

 阿部は泰然自若としていた。3月のWBC開幕に向けて実戦は例年より早くなるが「焦ってやってもしょうがない。足の状態もあるし、自分の体と相談してやれれば。去年のやり方で成績が出て、間違いじゃないことは自分の中で証明されている」と構える。初詣に出掛けたのも前日4日。くじも設置が終わり、引くこともなかった。「神様にいっぱいお願いしても困るでしょ。とにかく家族が健康でいること。それが一番」とシンプルに祈った。

 一方で内海は危機感を示した。「今年はいつも以上に厳しい自主トレになる」。自主トレ中に日本代表の山本監督の視察も予定され「(代表候補の)山口、沢村としっかり仕上がっているところを見せたい。(ピークではなく)過程の段階だけど、そこで一番の姿をですね」とアピールを念頭に置いた。同じゴールに向かって投打の大黒柱が、南国で鍛錬に励む。(グアム=広重竜太郎、為田聡史)