【ホノルル(米ハワイ州)17日(日本時間18日)=鈴木忠平】ノムさん超える!
ダメなら引退!
中日山崎武司内野手(44)が自主トレ先のハワイで今季にかける覚悟を語った。中日時代の後輩、阪神福留とランニングなどで汗を流し、決意の表情で言った。
「成績を出せなかったら身を引かなあかんでしょう。去年は中途半端だった。白か黒か。(現役を)やるなら、みんなにまだできると思われてやりたい」
古巣復帰の昨季は骨折、インフルエンザ感染などもあって90試合で2割9厘、1本塁打、13打点と不本意な成績に終わった。ただ、本人はまだまだパワーの衰えを感じていないという。新外国人のクラークが加入したが、強気は健在だ。
「ブランコ以上の選手はいないわけだから。この年になったらチャンスは少ないから、若手に大差をつけて勝たないといけない。僅差で勝ってもだめ」
今シーズンは偉大な恩師の記録に挑む。45歳シーズンでの本塁打は野村克也(西武)の4本がプロ野球記録だが、山崎はそれを耳にすると、言い切った。
「抜けたら名誉なこと。そのくらいは打ちたいね。それを励みに頑張るよ」
楽天に移籍した当初、当時の野村監督からこう叱られたという。「人間には限界がある。それをどう補うか考えたことがあるか?
お前は考えてないからだめなんだ!
それを実行すれば、もっと、もっと長くできる」。自身の衰え、力不足を素直に認めた山崎の野球人生は、そこから上昇カーブを描き、07年に本塁打、打点の2冠王を獲得した。がけっぷちの山崎が恩師超えを果たした時、新たな光が見えてくる。