テスト生は最速161キロ!?

 中日キャンプでテストを受けるエディ・リベラ投手(24)が26日、中部国際空港着の航空機で来日した。ニックネームがスペイン語の「ピエドラ=石」で、石のように重くて速い剛速球を投げると猛アピール。メジャーどころかマイナーでの米国経験がなく、実績はほとんどゼロに近い。果たして本物?

 竜戦士は総勢91人が、キャンプ地沖縄入りした。

 顔写真すらなかった謎のドミニカンが、正体を現した。ルイス・ブルペン捕手兼通訳の紹介でやって来たテスト生のリベラは、陽気な丸刈り男。母国からドイツ・フランクフルトを経由し、30時間以上かけて中部国際空港に到着した。飛行機に乗ること自体が24歳にして初めてで、国外も初体験。どこまでも異色のテスト生だが、武器はもっと規格外だと豪語した。

 リベラ

 一番自信があるのはストレートさ。最速は10年にドミニカのサマーリグで出した101マイル(161・6キロ)だよ。つい先日も97~98マイル(150キロ台後半)が出てたね。

 最速161キロ?

 本当なら国内最速162キロを出したクルーンと同等。なのにメジャーどころかマイナーでも米国経験がない。昨年メジャー44勝でテスト受験したソーサ(現DeNA)と対照的で実績はゼロに近い。「悪いことしたわけじゃないんだよ」。その理由は、年齢や本人詐称などが散見されるドミニカ共和国出身者に対し米国ビザが簡単に下りないためだと、身ぶり手ぶりで訴えた。

 リベラ

 ニックネームはピエドラさ。スペイン語で石の意味だよ。石のように重くて速い真っすぐを投げるから。19歳の時なんて3年でメジャーリーガーだともてはやされたんだぜ。

 チャンスは巡って来ず、この2年間は地元の野球スクールに参加する程度で実質無職だった。くすぶり続けた右腕は、実家が近所のルイスに「お前の100マイルがあれば必ず通用する」と守道竜の受験を勧められた。

 リベラ

 こんなチャンスはない。早く仕事がしたい。持ち味は強気な攻めの投球で内角もズバズバ投げる。制球力は自信があるし三振も多く取れるはずだよ。

 母は生まれて3カ月で死去。父も17歳だった06年に亡くなり、その後は新聞記者をしている里親に育てられた。男手一つで子育て中の長男は2月2日が2歳の誕生日。中日入団を贈ることが目標だ。2月1日から始まるテストで、守道監督のお眼鏡にかなうのか。剛球が本物なら超掘り出し物。答えは監督の表情で分かりそうだ。【松井清員】

 ◆エディ・リベラ

 1988年12月18日、ドミニカ共和国サンペドロ・デ・マコリス出身。野球を始めたのは7歳ごろ。スリークオーターで持ち球は「スライダーとスプリットに自信がある」。シンカーやカーブも操る。この2年間在籍した野球スクールの投手コーチは02~04年に中日に在籍したマーチン・バルガス氏(34)。女男女男の4人きょうだいの末っ子。180センチ、87キロ。右投げ右打ち。