ヤクルト畠山和洋内野手(30)が“断髭式”を決行した。30日、沖縄・那覇市内の宿舎の一室で、衣笠球団社長兼オーナー代行の「第一刃」で式の幕が開けた。「痛い!

 うわ!」と声を上げながら、シック・ジャパン(東京都品川区)から贈られた最新式T字ひげ剃(そ)りで丁寧に剃り上げた。「7年ぶりぐらいかな。今まであったものがないから恥ずかしい」と、照れくさそうにあごをさすった。

 4番の「ひげ剃り」は、チームの思いを象徴していた。小川監督は「変わっていかないと勝ち抜けない」と「変化」を12年ぶり優勝へのキーワードにする。だからこそ、野村克也元監督の進言があったとはいえ、「トレードーマークを剃るわけですから今年に懸ける意気込みが伝わってくる。一大決心だからね」と、ひげ剃りを決断し、変貌した主砲の心意気を喜んだ。

 畠山の懸ける思いは行動にも表れた。24日にA型インフルエンザ感染が発表されていたが、この日は“断髭式”前に球場に向かって自主トレを行った。「動いていなかったから、めっちゃしんどかった」とこぼしつつも、表情は充実感で満ちていた。「今まで通りにやっていたら2位、3位のまま。僕らは変わらないと強い巨人に立ち向かえない」。さっぱりした精悍(せいかん)な顔で、主砲が決意表明した。【浜本卓也】