WBC日本代表候補の稲葉、中田が離れた日本ハムで、新戦力が存在感を際立たせた。オリックスからトレード移籍の大引啓次内野手(28)と赤田将吾外野手(32)が14日、韓国・KIAとの練習試合(名護)でともに初打点。8回に左翼へ移籍後初アーチとなるソロ本塁打を放った大引は「残った選手でもやれるんだというのを見せたかった。レギュラーを取れるように、結果を求めてやっていきたいです」。一切浮かれることはなかった。

 「堅守」のイメージが強い大引だが、法大では1年春からレギュラーとして活躍し、東京6大学リーグで首位打者を2度獲得。栗山監督は「打者として期待している。だから(この日のホームランが)よく打ったとは思わない。逆方向(に打つ)とか大引らしいけど、オレはそれでは済まない」と、多くの役割を求めるつもりでいる。

 オフに左膝を手術した金子誠は調整が遅れており、大引は正遊撃手の最有力。さらに、打撃ではFAでメジャー移籍した田中に代わる出塁率や、進塁打などの細かな技術も要求される。「急なトレードで調整が遅れがちだったけど、ファイターズにはやりたいことができる環境があって、ようやく元の姿に戻してくれた感じです。まずは自分のコンディションを整えていきたいです」。新天地で日本ハム大引を強烈に印象づけたが、目指すべき場所は、もっともっと高いところにある。【本間翼】