侍魂はともに米国へ-。巨人村田修一内野手(32)が侍ジャパン落選から一夜明けた21日、宮崎から沖縄へ移動し、チームに合流した。前回大会の4番打者としては屈辱の選考結果だが、「(右手中指のツメ負傷で)万全じゃなかったが、全力は尽くした。受け止めて野球に打ち込む」と恨み節は口にしなかった。そして集まる同情の声を遮断し、誇りを示した。

 村田

 自分はかわいそうではない。全日本のユニホームを着られたのは光栄なこと。今回も(代表候補に)呼んでもらって日本球界の上の方にいることは確信した。何も恥じることはない。チームは変われど野球はできるわけだから。

 不測の事態が起これば緊急招集される可能性はある。山本監督からも「気持ちは作っておいて欲しい」と言われ、心構えはできている。09年の前回大会で右太もも裏肉離れを起こし、広島栗原と入れ替わった経験がある。だからこそ、違う思いがある。「いつ呼ばれても大丈夫。でも呼ばれないことを祈る。誰もケガをしないのが一番。選ばれた28人で最後まで戦えるのがベストです」と願った。

 球場に到着後、原監督にあいさつ。23日のオープン戦初戦の広島戦から出場指令を受けた。村田の言動を伝え聞いた指揮官も「侍であることに変わりはない」と最上級の言葉を送った。村田はティー打撃で108スイング。仏教での人間の煩悩の数と一致したが、苦悩をかき消すように黙々とバットを振り続けた。魂は「陰ながら応援している」という侍ジャパンに置き、前へと進む。【広重竜太郎】