<オープン戦:巨人2-1楽天>◇24日◇沖縄セルラー那覇

 超大物ルーキーにも負けない投げっぷりだった。楽天のドラフト2位則本昂大投手(22=三重中京大)が巨人戦に先発し、4回2安打無失点と好投。140キロ台後半の直球と変化球を織り交ぜ、打者のタイミングをことごとく外した。菅野にひけをとらない投球で「抑えたいように抑えられました。変化球はある程度通用すると思います」と充実した表情で振り返った。

 試合中の修正能力が高かった。「緊張して力んでしまった」という1回は、2死から四球と2連打を浴びたが、2回以降は3イニング連続で3者凡退。130キロ台後半で鋭く横に曲がるスライダー、120キロ台で縦に変化するカーブに似たスライダーを自在に操り、簡単にカウントを整えた。「2回以降に修正できたのは良かった。自信になりました」と笑顔を見せた。

 数字では菅野を上回った。この日最速は1キロ速い147キロをマークした。三振も1つ多い4奪三振。大学2年の春に出場した大学選手権で、神宮球場で投げる菅野を見て「直球がものすごく速かった」と目を丸くしたが、約3年後、互角以上の力を身につけた。

 星野監督も迷わせる好投だ。抑え起用のプランもあるが、菊池や戸村など先発陣の調子がいまひとつの状況。今後の起用法について同監督は「いろいろやってみるよ」と頭を悩ませた。ただ、即戦力であることに変わりはない。則本は「恐れずに内角を投げ切ることが課題です。シーズンまでに完璧にしたい」と意欲的だった。【斎藤庸裕】

 ◆則本昂大(のりもと・たかひろ)1990年(平2)12月17日生まれ、滋賀・多賀町出身。八幡商から三重中京大に進む。4年時の大学選手権では、1回戦の大体大戦で20三振を奪った。直球の最速154キロを誇る本格派の右腕で、スライダーやチェンジアップなど変化球も多彩。即戦力として期待される。178センチ、82キロ。右投げ左打ち。推定年俸1200万円。