<オープン戦:阪神4-3ロッテ>◇7日◇甲子園

 鋭く上がったロッテ井口資仁内野手(38)の打球は、左翼ポール際、スタンド中段へ突き刺さった。2点を追う4回、内角気味のチェンジアップを拾ったソロアーチ。今季初の4番で先制打も放ち「いい形で点が入って良かった。ここで打てないと監督に『何してたんだ』と言われますから」と“幕張キャンプ”の成果を喜んだ。

 10日間チームを離れていた。QVCマリンでの残留練習。毎朝8時半から、1時間弱のウエートやポール間走、変化球を交えた1日200球近い打撃など。「石垣(キャンプ)以上に追い込んだ」というハードさで、チーム帯同ではできない量を振り込んだ。戦線復帰直後の2安打2打点。いじめた体が応えてくれた。

 井口らベテラン組不在中は、3安打や4安打で負けた試合があった。伊東監督は「このチームで誰が4番を打てるか。打撃コーチと話して井口になった。状況判断ができるし、ここ一番の球際の強さがある」。ただ大振りするだけではなく、時につなぐこともできる現代の4番として、あえてベテランを指名した。

 井口のオープン戦成績は8打数5安打。ホワイトセル、大松、清田と4番候補がいる中、伊東監督は「井口起用は今後増えるかもしれない」と示唆した。38歳の打棒が若い打線のカンフル剤となれば、「開幕4番井口」の可能性も見えてくる。【鎌田良美】