<オープン戦:西武2-1中日>◇15日◇西武ドーム

 怖いのはインフルエンザだけ!?

 中日吉見一起投手(28)が開幕OKの好投を見せた。1回から走者を背負ったが、粘りの投球で5回1/3を投げ、7安打無失点に抑えた。予定は4イニングだったが、志願して延ばしたこともあり、6回1死一、三塁の場面でバトンタッチ。決め球のフォークも解禁し、全球種で投球を組み立てた。やはり、安定感は段違いだ。

 「ゲーム感覚がまだなので自分から投げさせてもらった。全体的には良かったけど、少しバテました。あとは勝負勘ですね」

 ただ、手放しでは喜べない。2軍選手を中心にインフルエンザが大流行。開幕投手が確定しているエースが感染となれば、それこそ緊急事態。通常は登板後は遠征中のチームから離れて2軍選手とナゴヤ球場で調整するが、その2軍でインフルエンザが猛威を振るっている。

 首脳陣も開幕投手の“逆隔離作戦”を実行する。高木守道監督(71)は「あそこは菌(ウイルス)がいっぱいだから」と2軍ナゴヤ球場では練習させない考え。今中投手コーチも「吉見は明日(16日)名古屋に帰るけど、2軍には合流させない」と方針を説明した。

 吉見の次回登板は22日ロッテ戦(ナゴヤドーム)。開幕までのラスト登板を終え、3・29DeNA戦に臨む。「人混みには行かないようにはしている。手洗い、うがいをするしかない」。エース右腕は困惑した表情を浮かべた。【桝井聡】