楽しみたいより、かみしめたい。巨人ドラフト1位菅野智之投手(23=東海大)が、開幕前の最終登板となる今日23日の楽天戦(東京ドーム)へ向けたテーマを設定した。22日、川崎市のジャイアンツ球場でダッシュなどの調整。登板への意気込みを問われると、いつもとは異なる心境を語った。

 菅野

 キャンプから続けてきたことと、大学で学んだこと、去年1年間の思いとか、打たれた、抑えたとは別にそういうことを考えながら投げたい。

 開幕ローテ入りを確実にして迎える最終登板。ここまでは「結果にこだわって投げてきた」と、チーム内競争に勝ち抜くことを意識してきた。当然、開幕後も常に結果が求められる登板が続く。だからこそ、今日の登板は、ドラフト指名を拒否し、浪人生活を決断した“騒動”などにけじめをつける場にする。

 用意された舞台も特別だ。楽天は田中が登板予定で「同じマウンドに立てれば何か得るものも大きいと思います」。女房役は阿部が務める可能性もあり、実戦では初バッテリーになる。「自分は『こういう投手』というのを伝えたい。積極的にいろいろ聞きたい」と、落ち着いた表情で話した。

 楽天戦後は中6日で広島との開幕カード2戦目(30日)がデビュー戦になる。川口投手総合コーチも「何も心配していない。ここまできたらもう調整だから。楽しんで投げてくれればいい」と、後押しした。菅野が意義ある最終登板を経て開幕に向かう。【為田聡史】