<オープン戦:巨人6-2楽天>◇23日◇東京ドーム

 巨人高橋由伸外野手(37)が、度肝を抜く弾丸ライナーで、今季の1冠目をたぐりよせた。2回1死一塁。初対戦のダックワースが投げた真ん中低めの直球。右中間を破る打球かと思いきや、猛烈に伸びてスタンドに届いた。「真芯をくった。よく伸びましたね」。この1発で活気づいた巨人は、オープン戦“優勝”を決めた。

 この日の試合からキャプテンマークが外れたが、WBC組のいないチームをけん引したのは、高橋由だった。原監督から指名を受けての就任。「特別なことは何もできない」と言いながら、初実戦やこの日など、節目では必ず本塁打を放ってみせた。留守番組の強さを支えていた。

 ここまで高橋由やロペスらも進塁打を徹底。宮国には2ボールからウエストのサインを出したこともあった。緻密な攻めと守り。WBC組が合流したこの日は、打線がつながり快勝したが、留守番組の安定した野球が土台となっていた。

 巨人がオープン戦を首位で終えるのは99年以来。原監督は「勝つにこしたことはない。1点をしっかり取り、1点をあげない野球ができているということだと思います」と手応え。準備は万端。最高の形で、シーズンに入れる。【竹内智信】