<中日3-4DeNA>◇29日◇ナゴヤドーム

 モリミチ監督、どや!

 キヨシもやった!

 DeNAが中日に逆転勝ちし、開幕戦勝利。トニ・ブランコ内野手(32)が2安打3打点。1回に先制打、8回には勝ち越し打と、古巣に強烈パンチを見舞った。就任2年目の中畑監督も初の開幕戦勝利で、好スタートを切った。

 中日ファンから「ブランコ、カムバック!」「帰ってきて!」という懇願が響く中でのヒーローインタビュー。2安打3打点と大活躍のブランコは「勝利を目指して名古屋へやってきて、チームに貢献出来てうれしい。自分の思っている以上の働きが出来たね」。慣れ親しんだ一塁側とは逆の三塁側ベンチ前で、胸を張った。

 古巣への“恩返し”は研究のたまものだった。DeNAへの移籍決定前から、中日高木監督から受け続けた“毒ガス攻撃”。「ブランコなんて落ちるボールを放っときゃいいわ!」。攻略法まで明かされたが、挑発には一切乗らず。キャンプから黙々とバットを振り続け、対策を練ってきた。「研究はしてきたよ。チームメートとしてプレーするのと、(対戦)相手では攻め方も変わってくる。フォークは狙っていたわけじゃないけど、注意しなきゃいけないというのは頭にあった」。その読み通り、1回2死二塁からフォークを捉えて先制打。開幕戦最初の打席でやり返すと、さらに8回には決勝の2点適時打で、敵将に煮え湯を飲ませた。

 開幕戦初勝利を飾った中畑監督も主砲の活躍を大絶賛。「活躍してほしい人がきちっと仕事をしてくれた。攻められ方にイメージを持って、谷繁のリードに対して準備した結果ではなかったかな、と思う。勢いのつく勝ち方だったね」。試合後のベンチ裏では、抱きついて頬にキスするほどだった。

 まさかの“プレゼント”には、ブランコも苦笑いだったが「パワーもあるけど、走者をかえすヒットを打つ打撃もやっていこうと思っているからね」とさらなる活躍を約束。新4番の最高の“初仕事”で、DeNAが最高のスタートを切った。【佐竹実】