<ウエスタン・リーグ:オリックス2-3ソフトバンク>◇4日◇神戸第2

 ソフトバンクのドラフト1位東浜巨投手(22=亜大)が今日5日、1軍昇格することが分かった。4日、ウエスタン・リーグのオリックス戦で先発。低めに球を集める制球力で、7回を5安打2失点。106球と予定の100球もクリアした。開幕ローテから外れていた黄金ルーキーは、今日以降1軍に同行し、10日オリックス戦(北九州)デビューが濃厚だ。

 2軍調整は遠回りではなかった。東浜が状態を上げてきた。最速143キロ。プロ入り後の自己最速を更新した直球は、これまでのように高めに浮かず、低めに集められた。「今までで一番いい。思ったよりも直球で三振が取れた」。7三振のうち3つは直球で奪った。四球も1つ。本人が求めてきたキレと制球、球威が増した。7回にロッティーノに甘いスライダーを2ランされたが、6回までは2安打無失点。昇格への準備を整えた。

 バッテリーを組んだ3年目捕手・山下のサインには何度も首を振った。配球への不満ではなく、実戦でカットボールやツーシームを試したかったから。求めていたのは結果だけではなかった。1軍を見据え続けてきた右腕に試合後、昇格OKの祝報が舞い込んできた。荷物をまとめると、関東遠征中の1軍が待つ東京へ。今日5日からは札幌遠征の1軍に同行する。

 悔しい日々にピリオドを打つ。オープン戦3試合、11回で失点はソロ本塁打の1点だけ。それでも開幕ローテーションから落選した。日本ハム大谷、阪神藤浪、巨人菅野と昨秋ドラフトを騒がしたBIG4でただ1人出遅れた。「みんなが活躍して悔しくて。テレビも新聞も見ない。見られないです。なんで自分だけなんだろう」…。ようやく同じ舞台に立つ。

 首脳陣には成長した姿を披露する。高山投手コーチが「セットポジションでの課題を2、3点出した」という宿題もクリアすれば、3日にKOされたルーキー山中の代わりとして、10日オリックス戦(北九州)でデビューする可能性が高い。「まだシーズンは始まったばかりですから」。自信の表情が戻った東浜が、5連敗で沈むチームの流れを変える。【石橋隆雄】