<ヤクルト1-2DeNA>◇5日◇神宮

 勝利が決まると、DeNAアレックス・ラミレス外野手(38)は両手を突き上げベンチを飛び出した。中畑監督とはがっちり握手し抱き合った。先制適時打を含む3打数2安打でチームの連敗を3で止め、2000安打まであと1本。「何よりチームが勝ってよかった。勝利につながる場面で打つことを期待されているから、打つことが出来てよかったよ」。大記録へのリーチより、チームの白星に貢献できたことを喜んだ。

 残り3本で迎えた前カード巨人戦は無安打。それでも「自分にいい風吹かなかっただけ」と、フォームなどは修正しなかった。自信を持って打席に立った。

 神宮球場は、日本でのキャリアをスタートした思い入れのある球場。右翼の守備中には「(ヤクルト時代の)7年間の思い出がちょっとよぎった」という。この日も多くの声援が飛んだ。「2000本を目の前にして戻って来られたことをうれしく思うよ」。

 4回1死一、二塁で迎えた第2打席。フルカウントからの内角直球を振り切り、バットを折られながらも、右翼線にしぶとく落とす適時打を放った。8回の第4打席は、カーブを4球続けられながらも引っ張りにいかず、引き付けて中堅へはじき返した。自分を育ててくれたファンの前で、ヤクルト時代と変わらぬ勝負強さを見せつけた。

 「あと1本でも特別な感情はないよ。まだ2000本に到達したわけじゃないからね」。リーチをかけても、表情はリラックスそのもの。今日6日の天候が悪そうと聞くと「中止?

 明後日も悪いでしょ。(9日からの)横浜でしょう」と笑いを誘った。しかし、すぐに表情を引き締め「絶対打ちます!

 明日頑張ります!」。外国人選手初の大記録。「何とかタイムリーで決められるといいけどね」と、この日と同じくチームに貢献する一打で一気に達成する。【佐竹実】

 ▼ラミレスが通算2000安打へあと1本に迫った。ラミレスは01年にヤクルトへ入団し、ヤクルトで1184安打をマーク。古巣相手に2000安打を達成したケースは、83年山崎(西武)がロッテ戦、87年加藤(南海)が阪急戦で記録した2度だけ。ラミレスがヤクルト戦で決めれば26年ぶり3人目となる。