<西武8-0ロッテ>◇23日◇西武ドーム

 西武牧田和久投手(28)が三振なしで今季初完封を挙げた。ハーラートップに並ぶ負けなしの3勝目。8安打2四死球と本調子ではなかったが、辛抱強く低めをつき、15の内野ゴロを打たせるなど粘りの投球。好調の先発陣は菊池、十亀に続いて今季3人目の完封勝利となった。新人ら寮生10人が西武ドームで観戦するなか、打たせてとるサブマリンの真骨頂を見せた。

 点差はあっても、プライドが許さない。完封目前の9回。牧田は1死から連打を浴びて二、三塁に走者を背負った。8点リードで、内野陣は定位置。内野ゴロなら1点をやってもいいシフトだった。「打たれたらしょうがない。開き直りました」とギアを上げ、浅い左飛、一ゴロで後続を断った。三振を1つも奪わずに9回を投げきり「初めてだと思います。最後は三振をとりたかったけど、狙って奪えるタイプじゃないんで」と静かに笑った。

 アウトの内訳は内野ゴロ15(併殺1)、フライ10、補殺1。8安打2四死球とピンチの連続で「調子は最悪でした。スライダーは微妙、シュートは見送られて…とにかく低めに投げようと。早打ちにも助けられました」と要所で粘り強かった。渡辺監督は「昨年はアンダーハンドの本格派だったけど、今年は緩急の引き出しが増えた。進化している」と3年目のさらなる成長に目を見張った。

 ファンにも後輩にも夢を見せる投球だった。スタンドには、隣接する若獅子寮の寮生10人の姿があった。西武が若手教育の一環として、1軍公式戦の雰囲気を体験させることを目的に今年から実施。観戦したドラフト2位ルーキー相内は「打たれないですよね。打席に立って見てみたくなります」と目を輝かせた。130キロに満たないボールには、テレビ観戦ではわからない“すごみ”と、1軍昇格への思いをかき立てるメッセージがつまっていた。

 チームでは菊池、十亀に続いて3人目の完封。先発陣の奮闘もあり、首位を独走するが「昨年は中島さん、中村さんに頼って、打てないとチームにも連鎖反応があった。今年は自分が、という意識がみんな強いと思います」と牧田は客観視する。開幕から3勝負けなしで、防御率0・85はリーグトップ。完封でも浮つくことがないサブマリンが頼もしい。【柴田猛夫】