西武渡辺久信監督(47)が、涌井秀章投手(26)に「エースの自覚」を促した。26日、西武ドームで練習が行われ、栗山、片岡らスタメンに名を連ねる7人を除く野手、投手陣が参加。午前11時開始だったが、涌井は11時30分にグラウンドに現れた。渋滞に巻き込まれたことも理由の1つだが、指揮官は厳しい言葉で律した。

 渡辺監督

 昨日の今日なんだから、(球場に)一番乗りで来るくらいじゃないと。遅れているようじゃ、ダメだよね。

 言葉の引き金は、25日のロッテ戦にある。4点の援護を受けるも、6回に突如崩れ、5回2/3、2失点で降板した。試合後、突き放すかのように「普通の投手」と評した。「いろんな意味を込めての言葉。ワク自身がどう思うか」と成長への糧とすることを期待しただけに、歯がゆかった。

 厳しく接するのは、期待の表れでもある。渡辺監督は「曲がりなりにも、看板を背負っている投手なんだから」と野球人としての能力の高さを認める。

 そして、こう続けた。「何か言って、心が折れるような選手じゃないよ」。一流から超一流へ進化するには何が必要か。涌井なら、きっと分かる。そう思うからだった。

 練習中、他の投手陣とは離れ涌井は淡々と球場周辺を走り込んだ。練習後、遅れた理由を聞かれ、申し訳なそうに「渋滞があって…」と答えたが、あまり多くのことは語らなかった。渡辺監督は「わかっていると思うよ」と奮起に期待。全てはマウンド上で出す。【久保賢吾】