<巨人7-2西武>◇17日◇東京ドーム
巨人が帰るべき原点に立ち返った。2点を追う3回、阿部慎之助捕手(34)が、2戦連発となる11号3ランを放ち逆転。交流戦前まで不振だったが、打席の立ち位置やバットを開幕時に戻して復調した。6回には村田修一内野手(32)の7号ソロなど十八番の長打攻勢で試合を決めた。守備では好守を連発。王道の戦いぶりで交流戦2連覇へ白星を重ねていく。
原点を思い出したからこその軌道だった。3回1死一、二塁。阿部が西武野上の外角直球を逆らわずに押し込む。打球は勢いを失うことなく左中間スタンドへ。出迎えた原監督も右手で押し込む、しぐさを見せたほどの技術。ヒーローインタビューで「思ったより飛んだ」と話した阿部も「感触は良かった。あれで入らなかったら格好悪い」とベンチ裏で本音を明かした。
国民栄誉賞表彰式の5月5日広島戦を境に不振に陥った。交流戦前まで22打数1安打。内角攻めが厳しく、外角の球を引っかける姿が目立った。左方向に飛んだのは4打席だけ。苦しい状態に「オレが打てない打席は、何打席続くのかな」と漏らすこともあった。
だが初心に帰って、好調時に試したことをリセットした。外角球の見極めと内角をあけて相手を誘惑するためにベースから半歩、下がって構えるようにしていたが、交流戦前のDeNAとの連戦から元に戻した。WBCでの米国遠征中にはメジャーNO・1捕手のポージーとバット交換をして、同タイプをメーカーに発注。より長距離打者向きの2センチ長いバットで本塁打を放った試合もあったが、従来のバットを使用。本来の姿を取り戻し、東京ドームで本塁打を放った試合の連勝は36に伸びた。
チームも王道の巨人スタイルで戦った。6回の守備は村田、坂本と好守で安打を阻止した。失策数15はリーグ1位の堅守。その裏に村田が7号ソロと断トツのチーム47号を放った。ガードを固め、相手の攻撃が途絶えた瞬間に必殺アッパーをかます。これぞ、巨人の戦いぶりだった。
15年ぶりの7点差逆転負けを喫した10日のDeNA戦後。原監督はチームに伝えた。「打者は三振を恐れるな。見逃しても空振りしてもいい。打つべき球を打とう。原点、初心に帰ろう」。帰るべき原点を意識させた。そして、この日の西武戦後に言った。「(阿部は)うちの4番。信頼度はどういう状況でも揺るがない。相手がどう思うか分からないが、今日は守りという部分で勝ったのではと思う」。巨人の指針は揺らがない。【広重竜太郎】
▼阿部が3回に11号の逆転3ラン。阿部の逆転本塁打は4月7日中日戦、同16日阪神戦に次いで今季3本目で、シーズンに3本の逆転弾は07年に並び最多となった。6回には村田が7号。交流戦の通算本塁打は村田が単独2位の47本で、阿部が4位タイの42本。2人のアベック本塁打は4月7日中日戦、同17日阪神戦に次いで今季3度目となり、昨年の2度を上回った。




