<DeNA8-4日本ハム>◇18日◇横浜

 今季初めてスタメン起用されたDeNA山崎憲晴内野手(26)が、連敗を5で止める逆転打を放った。1点を追う8回1死満塁から右中間を破る3点二塁打。5年目で初のお立ち台で「初めてなので何を言っていいのか分からないですけど…。チームも連敗中で絶対に勝ちたいと思っていた。どんな形でもつなごうと思って振って、あとはボールに聞いてくれ、って感じでした」。本拠地に詰め掛けた2万6165人の前で、声を張り上げた。

 中畑監督が期待するスーパーサブが主役になった。開幕からここまでは守備要員。第3捕手としてブルペンにも入り、試合前には特守も含め、内野全ポジションでノックを受けてきた。この日は遊撃で先発予定だったが、中村が股関節痛で欠場したため、急きょ三塁での出場。「どこでも守れると思われていることが、僕の生きていく道」と、慌てることなく、4度のゴロを軽快にさばいた。

 15日楽天戦では中畑監督が退場処分を受け、前日17日は、守護神山口が崩れ、9連敗中だった日本ハムに逆転負け。嫌な流れが漂い、最下位転落もちらついていた。そんな雰囲気を振り払った背番号0の“孝行息子”の活躍。中畑監督は「はね返してくれた。あいつの姿を見て涙が出た」と余韻に浸った。

 今日19日からは敵地に乗り込んで4試合。山崎は「5連勝で帰ってきます!」とファンに約束した。その表情には、脇役と言わせない、力強さが満ちていた。【佐竹実】

 ◆山崎憲晴(やまざき・のりはる)1986年(昭61)12月13日、静岡生まれ。埼玉栄-横浜商大を経て08年ドラフト3位で入団。1年目の09年には新人ながら8番三塁で開幕スタメン出場を果たし、計69試合に出場。10年からは代走、守備要員での起用が続く。176センチ、79キロ。右投げ右打ち。推定年俸1000万円。