右脇腹痛の広島前田健太投手(25)が、15日の日本ハム戦(札幌ドーム)で1軍復帰を目指していることが7日、明らかになった。野村謙二郎監督(46)が、復帰時期について「問題なければ(日本ハム戦)。1回強く投げてから」と説明した。前田健は大野練習場で3軍調整を続けており、11日にもブルペン投球を再開する見込み。最短12日での復帰を回避し、万全な状態でエースが戻ってくる。

 見切り発車はしない。右脇腹を痛めている前田健の、1軍復帰プランが明らかになった。4月下旬の右上腕部負傷に続く、今季2度目の出場選手登録抹消で、3軍調整を行っているエース。2度とローテーションに穴を開けないためにも、万全の状態で戻ってくる。最短の12日ではなく、15日の日本ハム戦(札幌ドーム)がXデー。野村監督も、復帰時期について「問題がなければ」と交流戦最終カードを計算している。

 そのためには、条件がある。山内投手コーチは「1回ピッチングをしてから判断します」と説明した。前回、出場選手登録を抹消された際は、1軍に同行しながら調整し、登板前に1度のブルペン投球で復帰した。だが、確かな見極めをするために、11日にも大野練習場で「テスト投球」を行う見込みだ。そこで、GOサインが出れば、1軍本隊に合流する運びだ。

 この日は、ノースロー調整だった前田健は「やることは変わらないです」と静かに闘志を燃やした。前日6日ロッテ戦(尾道)では、バリントンが右腰を強打し緊急降板。状態次第ではローテーション変更も強いられる。先発陣に災難が続く中で、はやる気持ちをグッとこらえている。

 順調に行けば復帰戦では、二刀流ルーキー大谷と対戦する可能性もある。球界屈指の右腕との対決となれば、注目が集まる一戦になることは必至。「完全復活」を証明する舞台は整っている。【鎌田真一郎】