右肩関節唇損傷から完全復活を目指す日本ハム斎藤佑樹投手(25)が、今月中にも実戦復帰する見通しであることが12日、分かった。早ければ、22日イースタン・リーグのフューチャーズ戦(鎌ケ谷)が有力。今日13日は2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で、故障後初めて打撃投手を務める。打者2人に対して30~40球を投げる予定で、右肩の状態に問題がなければ実戦の舞台が用意される。

 昨オフから故障と闘ってきた佑ちゃんが、いよいよ実戦復帰する見通しとなった。今日13日に打撃投手を務め、投げた後に異常がなければ22日フューチャーズ戦のマウンドに上がることが濃厚に。早い段階で実戦を経験することは、完全復活へ向けた調整過程の指針となりそうだ。この日、鎌ケ谷の室内練習場で調整した斎藤は、久しぶりの打者相手の投球に「楽しみですね」と笑顔をのぞかせた。

 昨年の日本シリーズで故障して以降、地道に復活への道のりを歩んできた。2月の春季キャンプでは2軍スタートとなり、主に右肩を痛める要因となった投球フォームを見直した。患部に負担の掛からない投げ方を身につけるため、5~10メートル先に置いたティー打撃用のネットへボールを投げ続けた。

 3月以降もキャンプと同様の取り組みを継続した。単調な動きが続いても、常に「1歩ずつ、やっていきます」と心は折れなかった。徐々に右肩の痛みも軽減し、キャッチボールの距離や強度も上げていった。

 捕手を座らせての本格的な投球は、5月12日に再開した。同30日には変化球を解禁するなど、着実にステップアップ。ようやく打撃投手を務めるところまで、はい上がってきた。予定では、浅沼と松本の若手打者2人に4分間ずつ投じる。球数は30~40を想定しており、加藤2軍投手コーチは「だいぶ腕を振れるようになってきたけど、もっと振ってほしい」と、打者を相手にすることで、投手としての本能を呼び起こすことを期待した。

 実戦へ向けた最終段階を前にしても、斎藤は冷静だった。「まだ、バッピ(打撃投手)なので。ここからが長いでしょうね」。慎重な口ぶりにも、これまでのリハビリ過程と、待望の復帰マウンドが見えてきた充実感がみなぎっていた。