ソフトバンク秋山幸二監督(51)が逆転優勝のキーマンに“緊急オペ”を施した。今日21日の楽天戦(郡山)でリーグ戦が再開。20日全体練習では左投手を苦手とするブライアン・ラヘア内野手(30)のフォーム修正に指揮官が動いた。交流戦を3番内川、4番松田、5番長谷川の和製クリーンアップで制し、さらに助っ人砲の威力アップで勢いに乗る。
福岡空港を離れて6時間半後、交流戦王者は福島・郡山で刀を研いでいた。グラウンドを右に左に動く秋山監督の足が止まったのは、ラヘアの前。フリー打撃後、直接指導が始まった。「右投手の時はそうでもないが、左投手の時はリズムの取り方が違う。視野を広くしないとね」。自らが左腕投手となりバットを構えさせたラヘアに向けシャドー投球を繰り返した。上から、横からの変則投法。スライダーの軌道もバットで再現しながら球の見方を説いた。ロングティーまで付き合い約1時間で“緊急オペ”は終了。リーグ戦のカギを握る助っ人だけに力が入りさすがに「腰が疲れた」と漏らした。
ラヘアは今季11本塁打のうち、右投手から10本に対し、左投手からは1本。メジャー時代、左投手の通算打率9分8厘という極端な傾向を引きずり、今は相手先発投手が右なら先発、左ならペーニャにその座を譲っている。課題克服のツボは首の微妙な角度にあった。藤井打撃コーチは「球を見る角度が左(投手)だと少し違っているから」とわずかな修正点を解説した。
2年ぶりに制した交流戦は内川と松田、長谷川の3人が好調で、つながる打線の象徴だった。その背後、6番はここまで7人が打ち、完全には固定できていない。左右を苦にしないラヘアに仕上がれば、より得点力は上がっていく。
交流戦優勝後、最後の巨人戦で連敗。秋山監督は「いい流れでも最後の2試合でこうなる。油断したらああなるんだ」と自らをチームを戒めた。打線全体についても「調子のいいものから使う」と変わらずベテラン、外国人だからという特権を廃止する。首位ロッテと2・5ゲーム差。さあ、混戦必至のリーグ戦が始まる。慢心のない指揮官がタクトを強く握った。【押谷謙爾】



