<DeNA6-4阪神>◇23日◇横浜

 勝てませんなあ…。阪神ルーキー藤浪晋太郎投手(19)が最短4回、自己ワースト5失点KO。チームも5連敗と急失速だ。藤浪は4試合勝ち星がなく、壁を突き破れない。自己最速155キロをDeNAブランコにガツンと2ランされるわ、4四死球、3暴投の大荒れ自滅。巨人も負けて3ゲーム差が変わらなかったことだけが救い。チームも藤浪も、ここが正念場だ。

 藤浪が正念場に立たされた。5回の打席で代打を送られ、最短4回、ワースト5失点で3敗目。被安打は3ながら、4四死球3暴投の“大暴れ”で自身初の2連敗となり、これで4試合続けて白星なし。チームの連敗を5に伸ばしてしまった責任を背負い込んだ。

 「コンディションは良かったですし、体の状態は良かったんですけど、自分の力みが出て体が開いてしまった。悪い部分が出ました」

 初回、先頭石川にいきなりの四球を与えた。2死二塁、ブランコへの3球目は155キロをマークしたが、右中間へ弾丸ライナーで2ランを許した。自己最速を2キロ上回るボールだったが「球速ではなく、球威だと思う」と振り返った。

 最も悔やまれるのが2点差を追いついた直後の3回だ。先頭の石川をまた歩かせ、ブランコへの死球で満塁。暴投で勝ち越しを許すと、荒波には左中間を破られ、この回一挙3失点。藤浪は「点を取ってもらった直後のフォアボール、デッドボールだったので。ボールでリズムを悪くしてしまいました」とうなだれるしかなかった。

 2敗目を喫した前回登板の16日楽天戦(Kスタ宮城)からここまでの1週間、左打者対策を意識し、練習してきた。ブルペンでは左打者を立たせ、コーナーへのコントロールを意識した。中西投手コーチは「(コースへ)投げきれるようになってきた」と評価していた。これまで試合では投げていなかったチェンジアップにも磨きをかけていた。実戦で使えるめどがなかった楽天戦は1球だけだったが、この日はチェンジアップも数球交え、左打者に5打数1安打。3四球の課題は残したものの、今後への収穫もあった。

 ただ、プロは結果がすべての世界。壁にぶち当たった藤浪に対し、和田監督は「課題を修正しながら、考えながらやっている」とかばったが「うまく投げようとしすぎている。若さでもっといけばいいが小さくなりつつある」と苦言も呈した。中西投手コーチは「次の登板がどうこうというのはない」と明言。先発ローテから外れることなく、次回は予定通り、高校時代から不敗の甲子園で、30日広島戦に先発する。

 3ゲーム差で追う首位巨人にこれ以上離されないためにも、藤浪の復活はカギになる。逆境に立たされた19歳。真価が問われるマウンドに向かう。【山本大地】