<広島2-3中日>◇16日◇マツダスタジアム
守道竜がルナ不在で燃えた。中日は2点ビハインドで迎えた7回に山崎武司内野手(44)の右前適時打で同点に追いつくと、8回には森野将彦内野手(34)の中犠飛で勝ち越しに成功した。チームを引っ張ってきたエクトル・ルナ内野手(33)が戦線を離脱。最大のピンチにナインが結束した。前半戦Aクラスターンも確定した。
こんなに、はじけた高木監督は見たことない。試合後に通路に出てきた指揮官は報道陣を見つけると、高々と紙コップを掲げた。「かんぱ~っい!」。コップの中身は、お酒ではなくアイスコーヒー。普段お酒を飲まないが、もう飲んじゃいたいくらいの夢心地に違いない。それだけうれしい1勝だ。
試合終盤まで敗色濃厚だった。流れを変えたのが、44歳山崎のバットだった。2点ビハインドの8回1死一塁。広島今村から平田の右前打で一塁走者森野が一気に本塁に突っ込み1点差。その後、2死一、三塁の場面で打席に立った代打山崎が執念を見せた。
「スピード感だけ不安だった。1球目見逃して、あとはヒット打てればという考えだけ。ライトという意識はなかったけど、うまく反対方向に打てた」。1ストライクから147キロ外角球を見事に流し打つ技で同点タイムリー。9回に森野の中犠飛でついに勝ち越し。大ベテランの6月15日以来となるタイムリーが勝利の女神を振り向かせた。
立て続けにバッド・ニュースが襲った。この日、ルナが左膝の治療に専念したいと自ら申し出て、午前中に名古屋に戻った。前日15日に右足首の痛みを訴えたクラークも試合直前にスタメンを回避。試合が始まってからも沈滞したムードが中日ベンチに漂った。
そんな雰囲気を察知した高木監督も「今日、明日は何が何でも勝つと言った。大島も試合中、怒鳴ったんや。執念見せろとカミナリを落とした」。その大島が9回に先頭で二塁打を放ち、森野の中犠飛で決勝のホームを踏んだ。
山崎の言葉がナインの思いを代弁していた。「ルナの抜けた穴をみんなで埋めるしかない。いる選手でやるしかないんだ」。苦しみながらも手にした1勝は、後半戦への糧になりそうだ。【桝井聡】



