<オリックス4-3ソフトバンク>◇30日◇京セラドーム大阪

 祭りのあとは黒星スタート…。ソフトバンクが再び勝率5割に戻った。先発の寺原隼人投手(29)はバルディリスに手痛い決勝ソロを浴びるなど、6回3失点で5敗目。3勝目から2カ月以上も白星がない右腕に、秋山監督も「寺原くんが借金じゃなあ」とぼやいた。鷹の祭典4連勝締めの勢いにブレーキがかかり、首位楽天とは今季最大タイとなる8差に開いた。

 弾丸ライナーが左翼席に飛び込むと、口をへの字に結んだ。ソフトバンク寺原が悔やんだのは同点で迎えた6回だ。1死からバルディリスに決勝ソロを被弾。甘いスライダーだった。「カウント3-1で四球を出したくなかったし、ストライクを取りにいった。もったいない」。

 登板10試合目でチームワーストとなる7被本塁打。岩崎が38試合で6本、摂津が15試合で5本に比べれば1試合当たりの割合は多い。「ここぞというところのホームランは避けないといけない」。口をつくのは反省ばかり。昨年までの古巣には2戦2敗となった。

 今季初の中5日。本来のリズムを作れなかった。先頭の坂口にストレートの四球。制球に苦しみ6回103球のうち、約半分の51球がボールだった。高山投手コーチは「ボールが扱えずにスタートして、何となく最後まで自分の形で放れてなかった」と分析した。

 右肩痛からの現役復帰を目指していた斉藤和巳リハビリ担当コーチが今日31日付で退団。寺原はともに戦った先輩から多くを学んだ。入団後に影響を受けてウエートトレーニングを重視。今季も左腰痛で離脱中、左足の踏み出し方を聞いた。「メンタルが強いし、ピンチでも抑えてくれる雰囲気があった」。そんな元エースに、惜別の1勝を届けることはできなかった。

 5月29日の巨人戦の3勝目を最後に、白星から遠ざかったままだ。6月は故障で登板なし。復帰した7月も4戦未勝利に終わった。秋山監督が嘆く。「寺原くんが借金じゃなあ。勝ち星を重ねていかないと」。期待が大きいだけに、もどかしさが募る。【大池和幸】