G倒の使者は藤浪や!

 阪神藤浪晋太郎投手(19)が30日、プロ入り初めて伝統の一戦に登板する可能性が高まった。岩本輝投手(20)が1軍合流し、明日8月1日の中日戦で先発することが濃厚。当初、1日に登板予定だった藤浪は2日からの巨人3連戦に回る見通しで、4日第3戦の先発が有力となった。

 緊急事態の救世主に、藤浪が指名された。再編を余儀なくされた先発ローテーション。嫌でも対戦する週末の巨人戦に向かうのは、伝統の一戦ではベールに包まれている藤浪が濃厚となった。

 長期ロードの始まりで、何よりゲーム差を詰め寄りたい首位巨人との3連戦。前日29日に榎田が登録を抹消された。能見、スタンリッジと、前半戦で巨人を苦しめた強力3枚看板で臨む予定だったローテーションが消滅した。穴を埋めるのは、1日中日戦の予定だった藤浪だ。開幕から“定位置”のサンデー登板に戻り、首位チームに立ち向かう。

 前回登板の25日ヤクルト戦は4回3失点で降板した。投球フォームが横振りになる欠点を修正するためにも、中9日の調整期間は有利に働くだろう。首位巨人に対して、データの少ない「初物」をぶつけられる利点もある。

 藤浪にとっては初めての巨人戦登板となる。7月3日、甲子園で初対決する予定だったが、雨天中止で幻になった。「1位のチームなんで。首位争いをしているという意味では、特別なチームだと思います」と話しており、まさに仕切り直しの巨人戦デビューだ。

 子どものころは巨人ファンだったが、いまは全身全霊で虎の白星を追い求める。3戦目なら巨人菅野と「新人対決」となる可能性もある。巨人戦初登板で勝てば阪神の高卒新人では67年江夏以来。偉業もかかった記念のマウンドが注目される。