<日本ハム4-14楽天>◇4日◇札幌ドーム

 打ちも打ったり。首位を独走する楽天が、1イニング7二塁打のプロ野球記録を樹立した。5回1死、銀次内野手(25)の二塁打から4連続二塁打。最後は藤田一也内野手(31)が7本目の二塁打を放ちこの回7得点の猛攻。先発全員安打全員打点となる球団新の23安打で14得点、さらにはプロ野球タイの1試合11二塁打の記録ラッシュで日本ハムに大勝し、連勝を球団記録に並ぶ7に伸ばした。ド派手な攻撃には、緻密な作戦とチームの徹底した意識があった。

 次々と楽天打線の打球が、日本ハム外野陣の頭上を越えていく。3-3の5回1死、銀次から「二塁打ショー」が始まった。打者一巡し、藤田がプロ野球記録となる1イニング7本目の二塁打を放った。ざわつく球場をよそに、楽天ベンチはお祭り騒ぎだった。

 広い札幌ドームでコツコツとプロ野球タイ記録の1試合11二塁打と球団新記録の23安打を放って14得点。一見、破壊力任せの打線に思えるが、そうではない。各打者の「粘り」があったからこそ、つながった。6月の交流戦中、星野監督は「フルカウントからの空振りが多い。田代(打撃コーチ)には研究するように言った」と話したことがある。打開策の1つとして、同コーチと平石打撃コーチ補佐が選手に伝えた指示が「ファウルで相手投手に球数を放らせる」ことだった。

 今試合、2ストライクからのファウル数は日本ハムの10個に対し、17個。追い込まれても粘って、打つ。相手にはボディーブローのように疲労が蓄積する。この日の試合前練習では藤田が、打撃ケージのネット内にファウルを1球打った。打ち損じではなく「わざとです」。ファウルを打つ練習をする打者もいるほど、意識が浸透しつつある。

 象徴的だったのは、5回の枡田と岡島の打席だ。ともに2ストライクから2球粘った後、甘い球を捉えて逆方向に二塁打を放った。7本中5本が中堅から逆方向への二塁打。星野監督も「楽天から新記録が出るなんて、こんなにめでたいことはない」と喜んだ。プロ野球記録は、粘りと集中力の産物だった。【斎藤庸裕】<この日の楽天記録>

 ◆1イニング7二塁打

 48年10月16日巨人が大陽戦5回(千葉、青田、川上、内堀、田中、山川)86年6月3日広島が大洋戦9回(山崎2本、川端、高橋慶、長内、小川)にマークした6二塁打を抜く新記録。

 ◆4連続二塁打

 今年の6月3日ソフトバンクが阪神戦4回に記録して以来10度目、パ・リーグタイ。プロ野球記録は83年5月11日広島、86年6月3日広島の5連続。

 ◆1試合両軍合計13二塁打

 36年7月19日阪急7-タイガース6、99年4月14日日本ハム8-ダイエー5、06年6月30日横浜7-ヤクルト6に次いで4度目のプロ野球タイ記録。

 ◆1試合23安打

 今年の6月25日西武戦の22安打を抜く球団新。内訳は二塁打11本、単打12本。23安打以上で本塁打0は、77年6月19日南海24本、86年10月2日阪急24本に次いでパ3度目の珍記録。

 ◆1試合11二塁打

 48年10月16日巨人が大陽戦で記録して以来、65年ぶり2度目のプロ野球タイ記録。巨人は山川3本、青田2本、千葉、川上、平山、中尾、内堀、田中の合計11本。