<DeNA10-12中日>◇4日◇横浜

 定員いっぱいの3万39人のファンで埋め尽くされたスタンドでは、試合後に照明を落とし、残ったファンでペンシルライトを振るセレモニーが行われた。勝っていれば、もっと感動的だったはずだ。5連敗となったDeNA中畑清監督(59)は、心の底から謝罪した。「地元でこんな試合をして。ファンには本当に申し訳ない。罵声はいくらでも受けます」と、神妙に話した。

 2点差の5回。3番手の加賀美が森野に2ランを浴びて突き放されたとき「だから代えろって言ったじゃん」と、ハマっ子の悲痛な叫びが起きた。得点しても失点する繰り返し。「これからは守りきる野球を前面にだしてやっていかないといけない」と、今後の戦い方を示していたが実は結ばない。ファンがじれるのも無理はなかった。

 友利投手コーチの不安が的中した。「ホームに戻って、みんなよくないんだよな。今日は一番ノリノリの三嶋だから、チームを救ってくれって言ったんだ」。前回7月28日の阪神戦ではプロ初完封したルーキーが、4回途中ワースト7失点でKO。この日の2本を含めて被本塁打15本は両リーグワーストだ。

 9回には代打多村が2ランを放ち2点差まで追い上げた。これも前夜と同じ。打線は最後まで諦めない姿勢がある。だから中畑監督は「投手陣にマウンドで戦う魂を感じない。一方的にやられて悔しい。次の巨人戦はもっと厳しいが、メンバーチェンジをして立て直す」と戒める。加賀美の2軍降格を決めた。6日は地元郡山。何かのきっかけをつかみたい。【矢後洋一】