<日本ハム4-14楽天>◇4日◇札幌ドーム

 日本ハムが、楽天戦で記録的な惨敗を喫した。同点の5回に、吉川光夫投手(25)が4連続二塁打を浴びるなど、1イニング7二塁打のプロ野球記録をつくられて一挙7失点。後半も失策が絡んで失点するなど、悪い流れは止められず、今季3度目の同一カード3連敗となった。自力優勝消滅から一夜明け、首位楽天との今季最大ゲーム差は、13・5まで広がった。

 観衆2万7000が発表された8回、札幌ドームのスタンドはすでに空席だらけだった。試合中盤には、飛んでいたヤジも聞こえなくなった。地元ファンは惨劇から目を背け、帰路に就いた。栗山英樹監督(52)は「なかなか自分たちの形がつくれない。申し訳ない。それだけ。監督のミス。監督のせいで負けた」。今季3度目の同一カード3連敗は、ダメージの大きい、あまりにも無残な敗戦だった。

 期待の大きさが反動となって、傷は深くなった。同点に追いついた直後の5回、指揮官が「エース」と言って期待する吉川が、1死から4連続二塁打を浴びて、瞬く間に3点を失った。前日3日は無失点の武田勝を6回1死で降板させたが、一転、我慢して裏目に出た。「吉川はこれからチームの軸になっていかないといけない投手。心中するつもりはないけど、意地で何とかするんじゃないかと。エースとしては何とかしてほしい」。その思いは、届かなかった。

 続いてマウンドに上がったルーキー屋宜も連打を浴び、楽天打線に1イニング7二塁打のプロ野球記録をつくられた。4回1/3を11安打7失点の吉川は「ああいう結果になってしまい申し訳ないです」。7回には前日の大引に続き、小谷野が適時失策を犯すなど、守備の乱れも深刻なムードに拍車をかけた。

 借金は8、首位とのゲーム差は今季最大の13・5。苦しい現状を裏付ける数字が並ぶ。栗山監督は「こういうときこそ、元気を出して。まだ50試合以上ある。全力を尽くすだけです」。吉川に限らず、チームにも、いまこそ昨季王者としての「意地」が求められている。【本間翼】