<ヤクルト4-7広島>◇4日◇神宮
広島松山竜平外野手(27)が惜しくもサイクル安打を逃した。1回に先制二塁打、4回に右中間スタンドへ7号ソロ。5回2死満塁では3点三塁打で王手をかけた。7回の4打席目は好守にはばまれ、9回の最終打席は右飛に倒れた。それでも自己最多6打点の活躍で勝利に導いた。勝負強さ100倍の“アンパンマン”は頼もしい。
シングルヒットでよかった。でも、その1本が遠かった。広島では山本浩、衣笠、金本ら過去5人が達成しているサイクル安打。9回、菊池が出て松山に最後のチャンスが巡ってきた。ヤクルト山本哲のフォークをとらえた打球は、高く上がって右翼手のグラブに収まり、快挙はならなかった。「最後は正直、狙いました。いい当たりでしたが、ちょっと上がりすぎましたね」と苦笑いした。
それでも自己最多の1試合6打点の大暴れ。勝利を導いた主役は、間違いなくこの男だった。
1回から全開だ。1死満塁のチャンスに、ロマンの外角のストレートをジャストミート。左翼フェンス直撃の2点二塁打で先制点を奪った。4回の第2打席は、右中間スタンドへ7号ソロアーチ。「2ボールだったので思い切ってスイングした。しっかり踏み込めました」と納得の一打だ。
さらに5回2死満塁では、痛烈な打球が遊撃手のグラブをはじき、左翼を転々とする間に3人が生還。松山は巨体を揺すって三塁へ滑り込んだ。「暴走でした。鈍足なので」と笑ったが、最も難しい三塁打をマークして快挙に王手をかけた。7回の4打席目はセンターの好守に遭ってヒットを逃し「あれは抜けていたら二塁打でしたね」と振り返った。
レギュラー定着を狙う今季は勝負強さにこだわってきた。得点圏打率は試合前まで3割3分3厘と好成績。満塁だけは6打数1安打、1割6分7厘と苦手としていたが、この試合では2度の満塁機で2安打5打点。「いい仕事ができました。いい形でできているので続けたい」と満足そうに話した。
野村監督も「(サイクル安打がならず)残念だが、いいところで打ってくれた」と絶賛。勝負強さを身につけたアンパンマンが、コイの必殺仕事人になる。【高垣誠】



