“T内海”が今季初の虎退治で優勝へ大きく前進だ。セ・リーグ首位の巨人は今日27日から5ゲーム差の2位阪神を東京ドームに迎えての3連戦に臨む。初戦で先発するエース内海哲也投手(31)は今季初の阪神戦登板。チームの対戦成績では今季7勝9敗1分けと分が悪いが、28日にもマジック再点灯の可能性がある中、虎キラーが満を持してマウンドに上がる。

 阪神戦登板を翌日に控え、内海のテンションは高かった。キャッチボール前にソフトボール投げを披露したかと思えば、DeNAモーガンの「Tポーズ」をマネた。ファンへの記念撮影では赤ちゃんにかみつくフリ。モーガンが試合になると「トニー・プラッシュ」という別人格になると自負しているが、さながら“T内海”のようだった。

 2位阪神との3連戦初戦を託された。「重要な曜日に投げるのは分かっている。先陣を切りたい」。2戦目は宮国、3戦目は沢村と調子が良くない若手が控える。それだけに川口投手総合コーチは「明日が一番大事。内海さんがチームに勢いをつけてほしい」と先導役に敬意と期待を込めた。

 阪神戦は今季初登板。日程的な巡り合わせもあったが、球宴前は調子が上がらず、阪神戦へのローテに名を連ねなかった。ヤクルト戦の通算21勝が対戦相手の中で最多だが、昨季までは阪神戦の20勝が最多。昨季は防御率1・05、11年も1・14と立ちふさがってきた。

 今季加入の西岡、福留と対戦経験もあるが「今の状態をスコアラーに聞いたりしてやる」と白紙に戻す。秦バッテリーコーチは「西岡に粘られないように。マートンの後の新井貴に気をつける。打線の調子の悪いところで分断させること」と攻略ポイントを添えた。

 「阪神戦は今年初めてだし、相手よりも自分のものを出す。絶対に抑えられるわけじゃないけど、勝負はできると思う」。内海が虎に引導を渡す。【広重竜太郎】