さあ、決戦だ。タカの「AKコンビ」が勝負ウイークで勝利に導く。ソフトバンクは今日27日からヤフオクドームで1差の2位ロッテ、さらに首位楽天と上位6連戦。打線のカギを握るのは「A」こと中村晃外野手(23)と「K」こと今宮健太内野手(22)の1、2番だ。西武黄金期を築いた秋山監督と清原和博氏(日刊スポーツ評論家)はAK砲と呼ばれたが、こちらは小粒でもぴりりと辛く、相手にダメージを与えていく。

 西武に連勝で意気上がるソフトバンクが、福岡に戻ってきた。ナインは、ロッテ、楽天との対決に鼻息を荒くする。リーグ打率トップと好調な打線に勢いをつけるのは“AK”だ。まずは1番の中村。「6連戦はホームなので、準備できる時間があるのはいい。とにかく塁に出るだけ」。自己ワーストの15打席連続無安打を抜け出し、再び上昇カーブを描いている。

 特にロッテ戦は36打数13安打の3割6分1厘と高打率で、切り込み役にうってつけ。26日は早朝の飛行機で東京から福岡に移動。その後、ヤフオクドームでランニングを行った。「休むと体がだるくなる。いい汗をかいた」。2週連続となる休日返上で戦闘準備を整えた。

 今月から2番定着の今宮は楽天と相性が良く、62打数21安打の3割3分9厘。決戦ウイークへ「楽しみというより、やってやろうという気持ち」。目を引くのが犠打の多さだ。現在、両リーグトップの47。シーズン61ペースで、リーグ新記録(07年日本ハム田中賢介の58)を更新しそうな勢い。「数は気にしていないが、上積みできて結果的にそうなればいい。晃さんが塁に出てくれるので、いい形でつなげたい」。出塁率が4割1分2厘もある中村を得点圏に進めるシーンが目立っている。

 前日25日の西武18回戦でも3回までに2犠打。ともに初球で成功させ、攻撃にリズムを作った。藤井打撃コーチは「安心して見ていられる。犠打が自信につながって、打撃にも好影響を与えている」と話す。3戦連続マルチ安打中で、一時は1割台だった打率を2割6分台に上げてきた。

 藤本打撃コーチは「チャンスでクリーンアップに回すのが大事」とよく口にする。AKコンビが好機をつくれば自慢の3、4、5番から得点が生まれる可能性がグッと高まる。ハデな1発も魅力だが、小技からのビッグイニング演出も勢いが出る。ともに身長170センチ台と小柄な2人のチャンスメークに注目だ。【大池和幸】

 ◆AK砲

 80年代西武黄金期の主砲秋山、清原の頭文字を取った愛称。清原が入団した86年から秋山が93年オフにダイエーにトレードに出されるまでの8年間組んだ。球団はON砲を意識し87年には秋山の背番号を「24」から「1」へ変更。清原の「3」とのコンビにした。通算63度のアベック本塁打を記録。AKアベックが出た試合は途中28連勝するなど、通算53勝8敗2分け、8割6分9厘の高勝率を残した。