狙いは最多勝と防御率!

 広島のエース前田健太投手(25)が26日、投手タイトルの狙いを絞った。マツダスタジアムで投手指名練習を行い、今日27日DeNA戦に備えた。勝てば12勝でヤクルト小川に追い付く。防御率は1位をキープ。奪三振など他のタイトルはいったん視野から外し、チームに貢献する2つのタイトルを意識する。球団初のクライマックス・シリーズ進出へ、エースがさらに調子を上げる。

 エースの標的は定まっていた。「タイトルは取りに行かないといけない」という右腕は、意識しながら狙うタイトルとして「勝ち星(最多勝)と防御率」を挙げた。

 前田健

 まだ数字的なことは考えていないですが、ひとつでも多く勝ち、1点でも少なくでやっていきたい。この2つは大事なので、両方を意識しつつやりたい。

 エースの果たすべき役割を自覚し、チームの白星に直結する2つのタイトルを強くイメージする。

 この日は投手指名練習でマツダスタジアムでキャッチボールなどを行い汗を流した。今日27日DeNA戦に勝てば、12勝でハーラートップのヤクルト小川に並ぶ。防御率は2・14でトップを走っている。奪三振も1位の阪神メッセンジャー(133個)と13個差の3位タイで、十分射程圏だが「最後の1、2試合で取れそうなら狙えばいいかな」と2部門ほど重きを置いていない。

 広島では川口以来の3年連続200イニングを突破しているが、今季は2度の出場選手登録抹消もあり、残り試合数からも到達は難しそうだ。前田健は「ちょっと無理じゃないですか。でも、それはそれで割り切れる」と気にしていない。

 それよりも最大の“タイトル”といえる球団初のCS初進出が大目標だ。昨季は8月下旬に4位以下に3・5差をつけながら、9月は6勝17敗1分けと大失速しヤクルトに逆転を許した。その轍(てつ)を踏むわけにはいかない。

 「(チームの)勢いは昨年よりある。いい戦いができている。チームとして(戦力が)そろって、固まってきた感じ」と、昨季にはなかった手応えをつかんでいる。予断は許さないシビアな戦いがこの先も続くが、8月の防御率0・39と調子を上げ、スキのないエースが2つのタイトルを手にしたとき、初のCS進出という成果をチームも手にしているはずだ。【高垣誠】