<DeNA8-3阪神>◇4日◇横浜

 話にならん!

 DeNAに惨敗した阪神和田豊監督(51)が怒った。今季3度目の先発だった鶴直人投手(26)が、背信の2回6失点KO。しかもやられ方が最悪。1回、2回とも2死無走者から、走者を出して連打を浴びる失点劇だった。8月17日に3年ぶり先発勝利した勢いはどこへやら。3日に初勝利した白仁田、秋山らとローテを争う8年目右腕が脱落した。

 快勝劇の余韻が、あっさりと消えた。「野球は2アウトから」。よく聞くフレーズがハマの虎に染みた。先発鶴の詰めが甘い。1回は3番モーガンにストライク先行しながら四球。6番金城を2球で追い込んでも、フルカウントにして3ランを浴びた。2回は1番石川からの4連打で2失点。いずれも2死走者なしからだった。2回で0-6。空席が目立ったスタンドは、夕暮れからヤジが響いた。

 和田監督

 制球力で勝負する投手が、あれだけ高いと話にならん。2回以降立ち直れば勝負できると思ったけど、2点が重かった。2アウトの四球から始まってるからね。

 虎将もあきれ顔だ。前日3日はプロ初先発の白仁田が6年目で初勝利。4年目秋山もまずまずの投球を見せ、開幕ローテの岩田も巻き返しを期す。残り30試合を切った。クライマックスシリーズ(CS)を見据えたローテ6番手の争いは激しい。8月17日ヤクルト戦で1141日ぶりの先発星を挙げた鶴は好投が続かず、チャンスをふいにした。

 悪いムードは打線へ波及した。6回をのぞく8イニングで13安打。同時に残塁が11もあった。得点は新井良の本塁打と2つの内野ゴロによる生還だけ。チーム打率はリーグ3位でも総得点は最下位。今季を象徴する内容で、反撃の糸口も見つからなかった。2桁得点をマークした翌日は2勝5敗。打線は水ものと言うが、これでは勢いづかない。

 和田監督

 個人個人の(打撃の)状態は上がっているけど、最初の6点でね。打つだけのアレになってしまった。うちだけじゃなくて、野球の常。大勝したあとのゲームをどうするかは、常に課題になってくる。6点をはね返せる状態にしないと。故障者も出てるけど、やっていくしかない。

 このカードは、なかなか五分の星に持っていけない。12球団唯一の2点台の防御率は、DeNA戦だけ4点台と突出する。打率4割台と打ち込まれるモーガンと金城、後藤には、この日も痛打された。相手は自力でのCS出場がないとはいえ、何度も同じ相手にやられていては話にならない。8月下旬の巨人戦3連敗から波に乗れないままの和田阪神。3カード連続で負け越せば、甲子園での巨人戦も興ざめしてしまう。【近間康隆】