<ソフトバンク2-1日本ハム>◇14日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクの新外国人ポール・オセゲラ投手(29)が来日3連勝を飾った。4回に無安打で初失点したが、6回2安打1失点と役割を果たした。デビューから3戦3勝は外国人では09年ジャマーノと並ぶ球団記録。秋山監督を再びうならせた技巧派左腕は、クライマックス・シリーズでも先発陣の柱に急浮上してきた。

 好結果と裏腹な顔だった。試合後のベンチ裏。オセゲラは反省しきりだった。

 「厳しかった。変化球の精度が悪かった。カーブでストライクが取れなかったし、チェンジアップはほとんどいい球がなかった。なぜだか分からないよ」

 生命線の2球種がばらついた。ただ頭脳派は自滅しない。世界的名門であるカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)出身。小さいときはメジャー305勝のトム・グラビンにあこがれた左腕は、すぐにある工夫をこらした。

 初コンビの山崎が要求する直球のサインにうなずきながら、ツーシームで微妙に動かした。2回は右打者3人を引っ掛けさせるゴロ。3回1死一、二塁でも大引を遊ゴロ併殺に仕留めた。すべて決め球はツーシーム。4回に初失点も、危機管理能力の高さが球団タイ記録のデビュー3連勝を呼んだ。

 秋山監督も賛辞を惜しまない。「良かったんじゃないか。(ローテの軸として)やってもらわないと。なかなか先発のやりくりが大変だから」。首位楽天とは遠く8・5ゲーム差で、優勝よりCS突破が現実路線。摂津頼みの先発の中で、ポストシーズンでも軸になりうる存在が急浮上してきた。

 メジャー経験はない。ジャパニーズ・ドリームをつかもうと必死。来日後、鳴尾浜での阪神戦後には、相手の後片付けに合流しようとして周囲を驚かせた。石渡育成・編成部長は「ハングリーさを持ってやってるから、何でもやろうとしますよ」。鶏の刺し身に挑戦など、日本食も好んで食べる。

 着用を再開した「ガッツパープル」のユニホームでチーム5連勝。お立ち台で左腕は「ガッツ、ゲラゲラデス。ヨロシクオネガイシマス」と愛称の「ゲラゲラ」にかけたジョークで笑わせた。妻と愛娘が8日に米国に帰国。今度は父や兄姉が来日する。家族のためにも、白星を積み重ねる。【大池和幸】