<広島4-2巨人>◇14日◇マツダスタジアム

 広島キラ・カアイフエ内野手(29)が大きな1発をぶちかました。1点を追う3回2死一、三塁で巨人杉内の140キロをジャストミート。推定145メートルの特大弾だ。打球はマツダスタジアム右翼2階スタンド壁面に直撃する逆転の14号3ランとなった。チームは苦手巨人に競り勝ち、今季3度目の4連勝で4位中日に3・5ゲーム差。初のCSへ、16年ぶりのAクラス入りへ大前進した。

 飛んだ。規格外だ。これが、キラのパワーだ。3回2死一、三塁、杉内の初球だ。140キロをジャストミートすると、観衆がどよめいた。本塁打であることは分かっている。だが、なかなか、打球が落ちてこない。本人が「今までで一番ぐらいの当たり」という自画自賛の1発は、右翼2階席の壁面に設置された、建設会社「増岡組」の看板を直撃した。

 逆転の14号3ランは145メートルの特大弾。指揮を執って4年目の野村監督は「他の球団を合わせても、あんなの初めて」と驚き、鈴木球団本部長も「記憶にない」と証言。09年の開場以来、右方向では最長不倒の“認定弾”となった。

 「今までも、あそこまで飛ばせる感覚はあった。でも、あそこまで飛ばすことが、仕事じゃないからね」

 周囲の盛り上がりの中で、キラが最も冷静な反応だった。ハワイ生まれの大砲は、感情を表に出すことは少ない。禅問答を繰り返しているようにも見える。

 東京遠征中の9日には休日を返上し、神宮室内練習場で打撃練習を行った。キラは「自分のチェックポイントがある」とスタッフに撮影位置だけを指示。動画でフォームを確認する際は、他者を寄せ付けない雰囲気を醸し出し、黙々とチェック。こういった姿勢を、松田オーナーは「周囲に惑わされず、自分の道を突き進むタイプ」と評価している。

 主砲が不振を脱し、4戦3発と復調した。チームも今季3度目の4連勝。今季わずか3勝だった巨人に勝利し、4位中日に今季最大タイの3・5ゲーム差をつけた。初のCS進出が、現実のものになろうとしている。【鎌田真一郎】

 ◆マツダスタジアムの最長弾

 開場1年目の09年6月26日、広島の投手ルイスが中日戦で左翼スタンド後方の防護ネットを直撃する推定150メートル弾。公式戦以外では、同年7月25日のオールスター第2戦で、西武中村が、同じく左翼の防護ネットにぶち当てる推定距離155メートル弾を放っている。