<広島10-0巨人>◇15日◇マツダスタジアム

 広島前田健太投手(25)が、今季初の中4日の登板で、リーグトップの14勝目を挙げた。7回2安打無失点と、巨人打線を寄せ付けない貫禄の投球。自己最長の8連勝となり、防御率も1点台に突入した。チームが巨人戦で2ケタ得点を奪っての0封勝利は、99年以来14年ぶり。正念場で今季2度目の5連勝と勢いは止まらず、初のCS進出まで突っ走る。

 中4日がなんだ。巨人がなんだ。今の前田健に、そんなことは関係ない。唯一のピンチは4回1死一、二塁。ここも村田を初球149キロでねじ伏せ、遊ゴロ併殺打に打ち取った。巨人打線に対し、7回をわずか87球で料理。「中4日という疲れもなく投げられた。投げる試合で、チームを勝ちに導く。それができてよかった」と貫録を漂わせた。リーグトップの14勝目を手に入れ、防御率も1・93と“大台”に突入した。

 バットでも自らを援護した。2回無死満塁で、菅野の初球カットボールをセンター返し。チームが過去5度の対戦で打ち崩せなかった天敵から先制適時打を放った。2回で4点リードの展開にも「あんまり調子に乗らないようにと。打ったときほど、打たれやすい」と警戒し、緊張感を高めて右腕を振った。

 投打の活躍で、自身の連勝は最長の8となった。「二十なん連勝とかは無理ですけど、今年は続けていきたい」と、同い年の楽天田中を意識しながらエースの自覚を口にした。

 引き締まった表情も、誕生したばかりの娘の話題になると緩んでしまう。「毎日、写真を見て1人でニヤニヤしています」。東京遠征中の12日に出産に立ち会い、翌13日の午前中に広島に戻り練習に参加した。今はつかの間の“1人暮らし”だが、早穂夫人(28)から送られてくる写真がエネルギー源になっている。「2、3日で顔が変わりますね。僕に似ていなくて安心です」と、最高の笑顔を見せた。

 チームも今季2度目の5連勝。苦手巨人から今季初のカード勝ち越しを決めた。野村監督も「ここに来ての連勝は大きい。勝っていけば、おのずと目標にたどり着ける」と、手応えは十分。エースは次回、21日に再び巨人戦で登板予定だ。フル回転のパパが、チームをまだ見ぬ世界へ導いていく。【鎌田真一郎】